技を極める|ヴァンクリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸

2017年4月29日(土)〜8月6日(日) 京都国立近代美術館(岡崎公園内)

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展覧会の構成

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ヴァン クリーフ&
アーペルの歴史

1906年のヴァン クリーフ&アーペル
創立から
現代に至るまでの1世紀にわたる歴史的展開を提示します。
デザインや制作技術の変遷が見られる
約80点の作品を展示します。

《鳥かご》

《バード クリップ》

[ヴァン クリーフ&アーペル Van Cleef & Arpels]

ヴァン クリーフ&アーペルは、フランスを代表するハイジュエリーメゾンであり、その独自のスタイルと創造性、優れた技術で知られます。1895年、宝石カット職人の息子アルフレッド・ヴァン クリーフと、宝石商の娘 エステル・アーペルが結婚、1906年にパリ ヴァンドーム広場にて「ヴァン クリーフ&アーペル」を創業しました。

1925年、パリ万国博覧会(アール・デコ展)に薔薇の花のブレスレットを出展して大賞を受賞、その名声を国際的に高めていきます。1930年代には、洗練されたイヴニングバッグ「ミノディエール」を発表、さらに、宝石を支える爪の部分を表から見せない特殊な技巧「ミステリーセッティング」を特許登録しました。このセッティング技法は現在も進化を続け、ヴァン クリーフ&アーペルを象徴する技術として継承されています。その後も、ジップ ネックレス、アルハンブラ ロングネックレスなど、メゾンの創造性を体現する作品が次々に生み出されてきました。1956年、モナコ大公とグレース・ケリー成婚の際にヴァン クリーフ&アーペルのジュエリーセットが贈られ、モナコ公国公式御用達となるほか、数多くのセレブリティを顧客に持ち、夢と幸福、詩情に満ちたジュエリーと時計は、世界中で支持を集めています。

ヴァン クリーフ&アーペルでは、1920年代~1980年代にメゾンのアトリエで制作された作品を中心に、歴史や時代とともに変遷するスタイルを反映する貴重な作品をアーカイヴしています。本展を構成するハイジュエリーは、ほぼこのヴァン クリーフ&アーペルのコレクションから出品されています。

  • 《鳥かご》
  • 《アルハンブラ ロングネックレス》
  • 《菊の花のクリップ》
  • 《フューシャ クリップ》
  • 《ジップネックレス》

《バード クリップ》1963年、《鳥かご》1935年、《アルハンブラ ロングネックレス》1973年、《菊の花のクリップ》1937年、《フューシャ クリップ》1968年、《ジップ ネックレス》1954年 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション Patrick Gries © Van Cleef & Arpels

  • 《アルハンブラ ロングネックレス》
  • 《菊の花のクリップ》《フューシャ クリップ》
  • 《ジップネックレス》
  • 《パリ、ヴァンドーム広場22番地のヴァン クリーフ&アーペルのブティック》1906年

    © Van Cleef & Arpels

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  • 《結婚式の日のアルフレッド・ヴァン クリーフとエステル・アーペル》1895年

    © Van Cleef & Arpels

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技を極める

《葡萄の葉のクリップ》

日本では、超絶技巧と呼ばれる作品があり、これは、一般的に工芸と呼ばれます。しかし、これは欧米でいうところのアプライド・アーツではなく、絵画や彫刻と同列の価値をもった日本独特の重要な作品です。たとえば、先に述べた金襴を豊富に用いた装束や、漆に金で絵画的表現を施した蒔絵の作品、さらには陶芸や金属工芸などがあります。

ヴァン クリーフ&アーペルが作り出すハイジュエリーも、日本の工芸品と同じように珠玉のものであり、それを作り出す人々はまさに日本でいうところの重要無形文化財保持者(人間国宝)といえる人々です。日本においては近代以降、特に明治の終わり頃から個性を尊重した個人作家としての意識をもった工芸家が現れてくるのに対して、ヴァン クリーフ&アーペルの仕事は、工房による分業制で現代まで行われています。その点においても日本でかつて成されていたものづくりのあり方が今も息づいていることに驚かされます。

本展では、様々な素材を組み合わせ、技を極めた超絶技巧ともいえるハイジュエリー作品約100点と、日本の超絶技巧の七宝や陶芸、漆芸、金工などの工芸作品約50点を比べながら鑑賞していただきます。

  • 《封筒型のヴァニティケース》
  • 《蝶に花丸唐草文飾壺》
  • 《ダンスーズ エスパニョール クリップ》
  • 《フローティング リボン クリップ》
  • 《アールデコ ブローチ》
  • 《柿》
  • 《花蝶図大鉢》
  • 《蓮葉に蛙皿》

《二匹のトンボのクリップ* 1926年、《封筒型のヴァニティケース* 1925年頃 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション、並河靖之《蝶に花丸唐草文飾壺》(七宝)明治時代 京都国立近代美術館蔵 撮影:江崎義一、《ダンスーズ エスパニョール クリップ* 1941年、《フローティング リボン クリップ* 1937年、《アールデコ ブローチ* 1930年 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション、安藤緑山《柿※(象牙彫刻)大正‐昭和初期、 四代目長谷川美山《京都名所図透彫飾壺※(陶芸)明治-大正時代、正阿弥勝義《蓮葉に蛙皿》(金工)明治時代 京都国立近代美術館蔵 撮影:杉本雅実
*Patrick Gries © Van Cleef & Arpels ※撮影:木村羊一

《封筒型のヴァニティケース》

《蝶に花丸唐草文飾壺》

  • 《ダンスーズ エスパニョール クリップ》
  • 《フローティング リボン クリップ》
  • 《アールデコ ブローチ》
  • 《柿》
  • 《花蝶図大鉢》
  • 《蓮葉に蛙皿》

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文化の融合と未来

《葡萄の葉のクリップ》

本展は、「技を極める」というテーマで構成しています。フランスのハイジュエリーの秀逸な作品と、日本の工芸作家の作品を組み合わせて展示することによって、フランスと日本の文化交流と融合の一端が見られ、未来への新しい視点が生まれてくるのではないかと考えます。ヴァン クリーフ&アーペルのハイジュエリーのほか、現代日本の工芸作家としては、森口邦彦(重要無形文化財「友禅」保持者)、北村武資(重要無形文化財「羅」「経錦」保持者)、中川清司(重要無形文化財「木工芸」保持者)、服部峻昇(漆芸)、十二代三輪休雪(龍作)(陶芸)などの作品が展示され、特別出品としてハイジュエリーと工芸のコラボレーション作品も展示する予定です。

[日本の主な出品作家](順不同)

七代錦光山宗兵衛(陶芸)

四代長谷川美山(陶芸)

並河靖之(七宝)

正阿弥勝義(金工)

安藤緑山(象牙彫刻)

山崎南海(彫刻)

十二代西村總左衛門(刺繍)

四代飯田新七(刺繍)

森口邦彦(友禅)

北村武資(羅、経錦)

中川清司(木工芸)

志村ふくみ(紬)

服部峻昇(漆芸)

十二代三輪休雪(龍作)(陶芸)

  • 《孔雀図》
  • 《龍のクリップ》
  • 《バルカロール チョーカー》
  • 《インド風ネックレス》
  • 《友禅着物 雪舞》
  • 《玉虫香合 桐文》

《葡萄の葉のクリップ* 1951年 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション、十二代西村總左衞門《孔雀図》(染織)1900‐1910年 京都国立近代美術館蔵、《龍のクリップ* 1969年 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション、《バルカロール チョーカー* 1971年 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション、《インド風ネックレス* 1971年 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション、 森口邦彦《友禅着物 雪舞》(染織)2016年 個人蔵 撮影:四方邦熙、服部峻昇《玉虫香合 桐文》(漆芸)2014年 ヴァン クリーフ&アーペル蔵、《二枚の葉のクリップ》1967年 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 撮影:江崎義一
*Patrick Gries © Van Cleef & Arpels

《孔雀図》
  • 《龍のクリップ》
  • 《バルカロール チョーカー》
  • 《インド風ネックレス》
  • 《友禅着物 雪舞》
  • 《玉虫香合 桐文》